やわらかい風が窓を走る午後のこと

音楽室に閉じこもっている父ちゃんがかまってくれないから
新しい家をあちこち探検する相棒のpeace。
あれ?いつもの定位置の独り掛けソファの上にいないので父ちゃん
はびっくりして家中探しまわりました。すると父ちゃんがベッド
がわりに寝ている奥の部屋のソファと窓のあたりに。やわらかい風が窓を走る午後のこと_e0169472_6451779.jpg
























peaceはよっぽどなにかに夢中になっているようです。それもそのはず、
表でサルサを大音量で鳴らしているごきげんなスパニッシュの人たちが
いるのです。父ちゃんはpeaceの背後からゆっくり忍び足で近づきます。
そろりそろり、そろりそろり、気づかれないようにと。
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ある程度近くまで来た父ちゃんは試しにじっと動かずにpeaceを見ています。
でも彼女はパンチの効いた音楽をカーステでかけまくる人たち、なにやら通りで
大声で言い合っている人たちのことに大夢中です。いっこうに背後の父ちゃんに
は気づきません。にがみばしった横顔でじっとじっと階下を観察中です。
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ソファの肘掛けと窓の間にはすこし距離があるはずですが、窓のほうに前足を、
ソファの肘掛けの方に後ろ足を上手にまたがせて、ただ一点を見つめるさまは
どこか哲学者のように父ちゃんには感じます。なんとなく額になぎら健壱怒りマーク
が浮き出ているような、、、、。ほら、、、、ほら、、peace、、、、peace、、、
父、ちゃん、だよ。ほほえましいきもちとせつないきもちがないまぜになって父ちゃんは
心の中でそっとそう彼女に声をかけました。すると、、
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でへへ、なによお。そこにいるなら最初から行ってよお。はずかしい
じゃないのよお。もう人が悪いったらないんだから。あ〜こっぱずかC~
犬も照れ笑いをするものだと父ちゃんはこの日はじめて知りました。
今日のNYは曇天です。やわらかい風がすううっと窓から窓へと走ります。
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by senrio | 2010-08-02 07:16
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