夏色のあやこ。

新しい家探しで足が棒のようになりながら歩き続けていると偶然日本食レストラン
を発見した。なにげに店先のメニューに目をやると「おやこ丼$11」の文字。
親子好きとしてはたまらない。迷わず条件反射のように店の中へ。

「今の時間、奥の中庭でご飯食べられますか」
ぺこぺこのお腹にありったけの力を込めて笑顔をふりしぼったら、店員は無表情に
メニューを脇にはさみ「来い」と顎で僕を誘導した。なんかちょっと感じ悪い態度の
女子だけど、ま、いい。大好きな親子にありつけるのだから。
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ぎらぎら太陽が照りつける中庭の一席で大きく背伸び
をしていると、水とメニューを店員が持って来たので
「もう決まってます。親子を」と頼んだら案の定、店員はぶっきらぼうに
は〜?という顔をした。
「いや、だから親子丼を。$11の」
それでもいぶかしげに目を細めるので
「丼を、あの、親子丼を、、」と言うと
「we do not have any!(そんなものありません。ぴしゃっ)」
僕のブログを読んでくださってるかたにはおなじみかもしれないが、、
まただ。親子のようであって親子でない。それはなにかと尋ねたら、、、、
「あの〜ほら〜え〜と、そうだあれあれ、あっや〜こど〜〜ん?」
と僕は「や」におもいきりアクセントをつけて発音してみた。
「oh, i see ayako don, right?(ああ、あんたが言ってるのはあっや〜こどんね。)
how many?(何人前?)」
ええ、そのあっやこをを10人前っっておいっ、力士じゃないんだから
何人前って一人に対して聞くな〜〜、ってなことは思っても言えず、
「あん〜〜、(外人風に)ジャスト ワン プリーズ!」
とだけにっこり返した。すたすた厨房へ消える店員。
そうなのだ。この店でも「親子丼」はやはり「あっや〜こど〜ん」であった。
どうやら日本人以外がやっている日本食レストランでは通常に親子は
斉藤綾子、いや文子か、もしや亜矢子か、ってどっちゃでもええY あっや〜こど〜ん
として存在していることがここでも立証された。
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見上げると雲が高速で夏の抜けるような空を走る。風が気持ちいい。冷房の効いた屋内じゃ
なくて中庭での食事を選んでよかった。パラソルに落ちた葉っぱの影、自分の足にかかる
テーブルの編み目模様の影、、、、時折、わさわさ忙しい音をたてて風があたり一面をさらい
また空へ帰って行く。
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さあ、おまちかねだ。
平たいパスタを入れるようなお皿に盛られた「ayako saito丼」が僕の前に
運ばれてくる。僕はスプーンをもらってさっそくのお味見。
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う〜〜んNY名物「あっや〜こ丼」は見事なまでの「ツユダク」
少し出汁が濃いいのだけれど、イタリアンパセリやチェリートマトが乗ってはいるけれど、
扇子くらいの大きさの沢庵3つだけれど、それはそれで、、、、許す!
なんともいえないこのかんじ、
限りなくホンモノに近いフェイクのうら寂しさとデイテイールがいちいち
細かく迷い道していくうちに今度はある種の「ケミストリー」が生まれてきたかんじとが
微妙に僕の舌をノックする〜〜〜。
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「あっや〜こ丼」の濃い味の素がきいた「ツユダク」を最後の一滴まで
たいらげるにはスプーンとお箸を巧みに使って召し上がることをお薦めする。
具も残さずに食べた跡、燦々と照りつける太陽がお皿に反射してこれであなたもこんがり
「夏色のあやこ」
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# by senrio | 2010-07-23 23:23 | よかとこですたいNY